オレンジ

小さな肩に 背負(しょい)込んだ
僕らの未来は
ちょうど 今日の夕日のように
揺れてたのかなぁ
イタズラな天気雨が バスを追い越して
オレンジの粒が 街に輝いている
遠回りをした 自転車の帰り道
背中にあたたかな
鼓動を感じていた

「さよなら」と言えば
君の傷も 少しは癒えるだろう?
「会いたいよ」と泣いた声が
今も 胸に響いている

不器用すぎる二人も 季節を越えれば
まだ見ぬ幸せな日に 巡り合うかなぁ
なんとなく
距離を保てずに はにかんでは
歯がゆい旅路の途中で 寝転んだね

「さよなら」と言えば
君の傷も 少しは癒えるだろう?
「会いたいよ」と泣いた声が
今も 胸に響いている

人波の中で いつの日か 偶然に
出会えることが あるのなら
その日まで

「さよなら」

僕を今日まで支え続けてくれた人

「さよなら」

今までも誰より 大切だと想えるひと
そして 何より二人がここで
共に過ごした この日々を
隣りに いてくれたことを
僕は 忘れはしないだろう

「さよなら」

消えないように
ずっと色褪せぬように

「ありがとう」

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